こんにちは!
日本酒大好きあおいです。
日本酒好きが高じて、日本酒についての勉強をしています。
日本酒は飲み方の幅が広く、温めたり冷やしたりとバリエーション豊かに味わえる珍しいお酒。
日本には春夏秋冬が巡り、季節に合わせた様々な飲み方が楽しめるのも、日本酒の特徴の一つ。
5つの節句(七草・桃の節句・端午の節句・七夕・菊の節句)
24の節季(立春・春分・清明・立夏・夏至・大暑・処暑・秋分・小雪・冬至・大寒など)
それぞれにいろいろな意味合いがあり、先人は行事を通して酒に親しんでいました。
その季節に合わせた、日本酒の飲み方の変化も楽しみですね。
【日本酒と温度】
日本酒は温度に対してデリケートに変化します。
5℃変わるだけでも、全く違う印象の味わいになります!
特に燗酒温度を変えるたびに、同じ瓶の酒と思えないほど変貌を遂げます。
どんな温度にするかは、日本酒の奥深さとおいしさを知るための重要なカギとなります。
冷酒→冷蔵庫で冷やした日本酒。香りと味がキリっと引き締まります。味の幅は狭くなります。
冷や酒→室温、常温の日本酒。その日本酒そのものの香りと味が分かる温度です。
燗酒→温めた日本酒。丸い膨らみが出て、甘さやうまさが増します。味幅が広がります。
冷やして、温めて、常温で。
温度によって味は変化し、おいしく飲むことができる日本酒。
こんなにも幅広い温度で楽しむことのできる酒は、世界中探しても日本酒だけです。
特に熱燗は奥深いもの!
温度によって情緒深い名前が付いてくるのも、日本ならではの楽しみ方ですね。
日本酒の飲み方①おいしい熱燗の温度
5度変われば、その香り方や風味が大きく変化する日本酒。
温度によって情緒深い名前がついている点も日本ならではですね。
55℃以上 飛び切り燗
熱燗の中でも最も熱い温度。徳利を持つことはできるが、持った直後に指がかなり熱く感じます。味わいは極めて辛口な印象に。純米酒や本醸造酒、普通酒に向いています。
ほぼ50℃ 熱燗
徳利から湯気が見え、持つと指に熱さを感じます。香りがシャープになり、切れ味の良い辛口に。本醸造酒と普通酒はこの温度で最も冴えてくる場合が多いです。
45℃ 上燗(じょうかん)
徳利を持つと温かいと感じ、酒を注ぐと湯気が出る程度。香りがキリっと締まり、味わいも引き締まった膨らみ感があります。純米酒はこの温度で最も冴えてくる場合が多いです。
40℃ ぬる燗
徳利を持っても体温と同じくらいの温度、熱いと感じません。
口に含むとふわっと温かく感じます。香りが豊かになり、強いふくらみのある味わいになります。
35℃ 人肌燗(ひとはだかん)
体温より少し低く、飲むとぬるいと感じます。ふわっと香り、口当たりが良くなる。麹や米の良い香りがし、さらっとした味わいになります。
30℃ 日向燗(ひなたかん)
飲んだ時に、暑いとも冷たいとも感じない温度。香りが立ってきて、味わいはなめらかになります。
日本酒の飲み方②お燗(熱燗)の作り方
日本酒はお酒の性質や温度によって様々な味わいが楽しめます。
丁寧に温めると、ふっくらした味わいの燗酒に。
燗酒に温度の決まりはありません。
お酒によって最適な温度が違いますし、同じ日本酒でも温度によって全く味わいが変わってきます。
燗酒作りのおすすめは、熱湯につけるやり方=湯煎です。
【燗酒の作り方】
1.湯煎
①酒を注いだ徳利を「水からつける」
まだ熱していない水に、徳利を付けて燗酒にするやり方。
水は熱すると温度がゆっくりと上昇し、ある地点で急激に沸騰する。
酒も少しずつ温まっていく間に香り成分が次々抜けていくので、吟醸系の日本酒には向きません。
数百種類ある香り成分は、それぞれ揮発する温度が異なるためです。
また、日本酒が急に飲用温度まで上昇するので、時間と温度設定のタイミングが難しくなります。
②酒を注いだ徳利を「80℃の湯につける」
水が沸騰したら火を止め、湯の1割の差し水をした温度が80℃。
80℃の湯で温めると、他の湯煎方法と比べると温度が穏やかに上昇するため、最も風味がまろやかで柔らかくなります。
刺激のある辛口感がないため、心も体もとろけるような優しい燗酒になります。
③酒を注いだ徳利を「沸騰した湯につける」
グラグラに沸騰した湯で湯煎すると酒が100度の熱に熱せられるため、アルコール(沸点が78℃)が酒から激しく揮発して、何℃に設定しても非常に辛口の刺激的な燗酒になります。アルコール感が立って、のどが焼けるような感触が出ます。
2.蒸し燗
酒を注いだ徳利を「蒸気で蒸す」
温潤な湯気の中で加熱するので、酒から水分・アルコール・香気成分などが抜けにくい利点があります。しかし、78℃以上の熱が加わるので、やや辛口の燗酒になります。火を止めると保温することができるので、複数の徳利を温めるのにも向いています。
3.電子レンジ燗
酒に注いだ徳利を「電磁波で温める」
もっとも簡単な日本酒の温め方ですが、マイクロ波は電波なので、角張った部分や細い部分に熱が集中する特性があります。
また、急速な加熱が起こるので、徳利内の上下で加熱ムラができてしまいます。
温め終わった後、空の徳利に移し替えるのもおすすめです。
味わいは「熱湯燗」と「蒸し燗」の中間あたりの印象になります。
4.直火燗
鍋ややかんに酒を注ぎ,そのまま加熱します。
味わいは極めて辛口で、アルコール感は立ちますが、最も早く目的温度になります。
5.いろり燗
酒器をいろりの灰にさして温めます。
炭火の放射熱と遠赤外線によって温められるため、じっくりと酒の中心から加熱され、柔らかな燗酒にまります。
まとめ
日本酒の飲み方は、冷たい冷やから温かい熱燗までさまざま。
温度次第で、同じお酒でも魅せてくれる表情が変わるのは、日本酒の魅力の一つですよね。
温め方で、“香りや味の風合い”が変化する日本酒。
特に、寒い時期に体の芯まで温まる熱燗。
お店でオーダーする時は、お店の人のおすすめな温度でその日本酒を楽しむのもよし、自宅で楽しむ時は、自分好みの温度に温めて風合いや香りの変化を楽しみたいですね。